Guide of pico laser
ピコレーザー(エンライトン)とはアメリカのFDAで認可されているシミの原因となるメラニン色素を破壊するホワイトニング効果の高いレーザーです。「安全で効果的な治療を実現する」をコンセプトに2014年から北米で発売開始されました。
始めは炎症性色素沈着のリスクの高いアジアのスキンタイプに合わせて開発されましたが、今は世界標準となっています。
ピコレーザーはシミやそばかす、くすみ、肝斑だけでなく、毛穴や小じわ、ちりめんじわ、ニキビ跡、刺青・タトゥー・アートメイク除去など幅広く効果があり、痛みが少なくて肌に優しく、色素沈着なども少ないのが特徴です。
「ピコ秒」という1兆分の1秒という瞬きよりも短い照射時間で色素を破壊していきます。
照射時間が短いことで従来のレーザーでは取りきれなかったシミ、そばかす、肝斑、色の付いているタトゥーなどにも効果があり、ダウンタイムや痛みも少なく、短期間で除去することが出来ます。
ピコレーザーは従来のナノ秒のレーザーと比べ、色素沈着も少なく、従来のレーザーでは砕けない大きさの粒子を砕くことが可能になったため、薄いシミにも反応しやすくなりました。
ピコトーニングが肌全体の色みや肝斑、ピコフラクショナルは肌の凹凸や毛穴、ピコスポットはピンポイントのシミ取りやTatoo除去と使い分けをします。
また、532nmと1064nmでは750ピコ秒のパルス幅で照射でき、これは他のピコ秒レーザーマシンと比べると長いパルス幅になっています。
この2つの波長により色味に対する治療の加減を自在に操ることが出来ます。
従来のレーザーでは熱エネルギーを中心に強いパワーで色素を壊していたので、反応した色素の周囲まで熱影響が及び、色素沈着が発生してしまいました。
ですが、ピコレーザーは熱エネルギーよりも、衝撃波で色素を叩き砕くイメージで壊していきます。
そのため照射時間は短いですが、薄い色素斑にも反応し、熱影響が少ないので色素沈着のリスクも低くなります。
レーザーの波長は長ければ長いほど皮膚の深くまで到達します。ピコレーザーには三種類の治療方法があります。
ピコトーニングが肌全体の色み、ピコフラクショナルは肌の凹凸、ピコスポットはピンポイントのシミ取りと使い分けをします。
ピコスポットは薄いものから濃いものまでシミ全体、ADMにピンポイントに照射出来ます。
照射後は一週間ほどかさぶたのようになり、自然に剥がれます。
従来のレーザーと違い、テープや保護などは必要ありませんが、軟膏塗布を推奨しています。(大きいものには保護が必要な場合もあります)
また、刺青やタトゥー、アートメイク除去にも対応しており、カラーが入っているものにも対応しています。
従来のレーザーでは水膨れが出来るなどの大きいダウンタイムが必要でしたが、ピコスポットでの刺青、タトゥー、アートメイク除去はダウンタイムが穏やかです。
また、スポットサイズを2〜8ミリまで調整出来るので、除去したい部分以外の皮膚への負担を最小限にすることができます。
基本的にシミは一回の照射でも薄くはなりますが、状態により数回の照射が必要になります。
また、ピコトーニング後にピコスポットを重ねるとより美肌効果があります。
※推奨間隔…3ヶ月以上
トーニングとは低出力のレーザーを当てることでメラニン色素を少しずつ減らしていく施術です。
従来の高出力レーザーでは肝斑を悪化させてしまったり、白斑が生じてしまう場合がありましたが、ピコトーニングは肝斑にも効果を発揮します。
また、ピコトーニングはメラニン吸光度が高いため、メラニン色素によく反応します。
従来のレーザーでは破壊できなかった小さな粒子にも反応し、粉砕することが可能で、熱ではなく衝撃波でメラニンを瞬時に砕くので、そばかすや炎症後色素沈着、薄い広範囲のシミにも対応しています。
シミ治療だけでなくお肌全体のトーンアップやくすみ取りにも効果的です。こちらもダウンタイムはなく、施術直後からメイクが可能です。
※推奨間隔…1〜2週間に1回
MLA(マイクロアレイレンズ)という特殊なレンズを使用し、照射することでエネルギーを部分的に集中させ、真皮の深部にまで浸透します。
ピコフラクショナルは肌の表面には穴を空けず、高密度なレーザーを照射することで衝撃波により表皮に極小の空洞を作ります。
その空洞が治癒することでコラーゲンを産生し、エラスチンの再生を促し、お肌のくすみをはじめとする毛穴やニキビ跡などの肌の凹凸の悩みもトータルで改善していくことができます。
従来のレーザーではあえて直接お肌に穴を開けていたので施術時の痛みやダウンタイムも大きかったですが、ピコフラクショナルでは表面のダメージが少なく、施術後は軽く赤みが出るほどですので、ダウンタイムはほとんどないです。施術後、メイクも可能です。
※推奨間隔…2〜4週間に1回
シミやそばかすはメラニン色素の深さや増加度合いがそれぞれなので、ひとつひとつに合わせて適切な波長、パルス幅、スポットサイズ、エネルギーレベルに合わせます。
照射します。痛みは輪ゴムでパチパチと弾いているような痛みです。
メラニン色素に合わせて照射していくので肌へのダメージを最小限に抑えることができます。
ピコレーザーにより破壊されたメラニン色素が照射のたびに少しずつ排出され、シミやそばかすが改善されていきます。(ピコトーニングの場合は4~5回ほど短期間で繰り返し照射すると美肌効果が高いです)
二次色素沈着を防ぐために、内用、外用薬を使用することをおすすめします。
●ハイドロキノン
ハイドロキノンはメラニン生成に関わる酵素チロシナーゼの働きを抑制する作用と還元作用によりメラニンの色を薄くする働きがあります。
ピコレーザーでかさぶたが出来て取れた後、炎症後色素沈着(PIH)といって茶色の色素沈着になることがあります。
ハイドロキノンを塗っていても色素沈着になってしまうことはありますが、通常よりも早く色素沈着が改善したり、予防効果があるため推奨しております。
●レチノイン酸
ハイドロキノンと併用してピコレーザーでのシミ取り後に使用すると効果が上がります。 レチノイン酸には肌のターンオーバーを促す作用があります。 肌の入れ替わりが早くなることでメラニンが沈着している角質を通常より早く除去することが出来ます。
●トラネキサム酸
トラネキサム酸はアミノ酸の一種で、肝斑への効果があり、厚生労働省にも認められています。安全性も高く、副作用も比較的少ないです。 シミなどの原因となるメラニンを抑制する働きがあります。 抗炎症作用もあるのでシミやそばかす、肝斑だけで無く毛穴やニキビ跡の赤みにも効果があります。 ただ、トラネキサム酸には止血作用があるため、脳血栓、脳梗塞、心筋梗塞、血栓性静脈などの病歴がある方は独自の判断で服用するのは避けましょう。 また、腎臓で排出処理されるので腎不全のある方も服用は避けましょう。
【時間】午前 9:30~12:30 午後 14:30~18:00
【休診日】土曜午後(不定期)・木・日・祝日