Treatment information
ニキビ治療はまず、保険診療からスタートします。
ニキビ治療が初めての方、ニキビができる原因や保険診療については「ニキビ治療」をご覧ください。
しかし、保険診療でアプローチしても効果が見られず、大きなニキビを多数つくり、治療しても治らない頑固なニキビ、または治った後のニキビ跡も大きく目立ってしまうような重症型のニキビを「集簇性ざ瘡」といいます。そのようなニキビには「イソトレチノイン治療」を選択肢としてご提案しております。
イソトレチノイン治療はとても効果的ですが、大きな副作用が生じる場合があるため、リスクをしっかりと理解して治療に臨みましょう。
イソトレチノインは「レチノイド」と呼ばれるビタミンA誘導体を含む内服薬です。
日本では未承認の治療薬ですが、1980年代にFDAで認可され、有効性、安全性が確認されているニキビの世界標準治療薬です。
FDAでは認可されているものの、日本では未承認ですので、医師の監督下で治療を行う必要があります。
イソトレチノインにはニキビの原因となる、皮脂の過剰な分泌を軽減する作用と皮脂腺の縮小、毛穴詰まりを防ぎ、抗炎症効果があります。
ニキビは皮脂の過剰分泌、毛穴のつまりが原因で出来てしまうので、イソトレチノインの強い作用により、重症型ニキビに強い効果が見られます。
イソトレチノインはニキビ治療薬の中で唯一
・長期でニキビを繰り返さなくて済む
・重症、炎症性ニキビにも効果が期待できる
とされています。
通常のニキビ治療では、ニキビが治っでも再発してしまうということも多いかと思いますが、イソトレチノインは治療後に長期間にわたり、再発を抑えることができ、約6割程度の方が完治されます。
元々重症のニキビに対して使われることが多かったのですが、近年では中等度の何度も繰り返すニキビ、それ以外の治療で効果のないニキビ、ニキビ痕になりやすい方にも使われることが多くなりました。
1日2回、食後の服用となります。
ほとんどの患者様は0.5mg〜1.0mg/日で、最大推奨量が2.0mg/kg/日になります。
治療期間は16~24週間になります。ほとんどの場合一回の治療期間で十分で、治療後8週間ほどまで効果が見られます。
8週間以上治療を行わなかった後に持続性ニキビが出来たりや再発が確実な場合、2回目の治療を開始します。
治療し始めの数週間、ニキビが悪化する場合がありますが、治療を続けることで改善していきます。
この薬は胎児に深刻な害を及ぼす可能性があります。(この薬は「催奇性」であることが知られています。)
胎児の脳、顔、耳、目、心臓、及びいくつかの腺(胸腺及び副甲状腺)に深刻な異常を引き起こす可能性があります。
また、流産のリスクも高まります。
これは、イソトレチノインを妊娠中に短期間のみ服用した場合でも発生する可能性があります。
女性はイソトレチノインの使用前、使用中、使用後に効果的な避妊を行ってください。
イソトレチノインにはうつや自殺などの副作用の症例が報告されています。
FDAはエビデンスは無いものの可能性があるとしています。
一方、治療前と比べ、イソトレチノイン治療後にうつ病の有病率が低下する可能性も報告されております。
ニキビは外観的な問題から『悩み』に繋がり、心理的問題に影響しやすいです。 そのような患者様はイソトレチノイン治療によって、ニキビが改善され、心理的問題やうつ症状が改善していく場合もあります。
ごくまれな副作用と認識はしておりますが、当院では鬱や自殺企図のある患者様には、イソトレチノインの処方は避けております。
ですが、難治性のニキビで重症度が高い場合は、うつ症状の程度を総合的に判断し、患者様と保護者の同意を得た上で治療を行う場合もあります。一度ご相談ください。
うつ症状が無い方でも、治療中に精神的な副作用が起こった場合は、治療を中止することでほとんどの場合が改善されます。症状の増悪をしっかりと把握するために、保護者や周囲の方は注意深く患者様を観察することが必要になります。
【時間】午前 9:30~12:30 午後 14:30~18:00
【休診日】土曜午後(不定期)・木・日・祝日